Summer Gifts
今年も暑い夏がやってきました…。
なんて、言ってる場合でもないほど早々に猛暑日の連続。
果ては、日本記録まで出てしまった2025年夏。
ウチが言っちゃあいけないのでしょうが、これだけ暑いと旧車になんか乗ってられません。
写真のように、北イタリアのコモ湖のほとりを、優雅にドライブってんならわからんでもないですが、日本のこの暑さは、完全に「生命の危険がありそうな暑さ」です。
そんな中、イスラエルとイランの戦争や、カムチャツカ大地震の余波を受けた津波による影響で、随分と予定より遅くなったクルマたちがようやく日本上陸を果たしました。
まずは、フィアット128クーペSL。
実に70年代らしいスポーツクーペデザインであるこのクルマ。
Episodeでも書かせていただきましたが、イタリアのクラシック草レース界では、ヒルクライムの常連にしてツワモノとして人気のモデル。ボディや内装などオリジナルを保っている個体は、かなり手に入りにくいというのが現状です。
エンツォ・フェラーリが乗っていたものとまったく同じレモンイエローのこのクルマ。前オーナーが非常に大事にオリジナルをキープしておりましたが、日本に導入するにあたり、中部イタリアにその人ありと言われた、フランチェスコーニ親方の手によって、日本の道路状況にあわせたエンジンとトランスミッションにアップデート。
ノスタルジックな雰囲気そのままに、洗練された走りがお楽しみいただける一台に仕上がりました。
すでに嫁ぎ先が決まっているこのクルマの作業内容については、追々ご紹介していきたいと思います。
そして、ここ数年で高い人気が更に高くなっている「段付き」こと、アルファ・ロメオGT1300。
現地でも「スカリーノ」という愛称で大人気の一台。
昨今はイタリアのみならず、欧州全土どころか、アメリカやアジアでも人気に火がつき、程度の良い一台に巡り合うことが非常に難しくなってきました。
世の中ってのは非常に単純明快で、「カネになるクルマ」とわかれば、元がどれだけボロボロであってもレストアという名前のお化粧や整形、果ては造作までを繰り返し「見た目だけがいい感じ」の車両が市場に溢れかえるものです。
それだけに、出どころとお育ちがキッチリわかる一台というのは本当に貴重そのもの。
今回の一台は、弊社マウロのお父さんのクルマ仲間が新車から所有していた一台だっただけに、まさに保証書付きとも言えそうな一台。
しかも、そのファーストオーナーのご友人。50年以上もこのクルマを所有していたのですが、なんと独身貴族だったため、助手席などもほぼほぼ乗車痕がないようなレベル。
こういうクルマだけをなんとか見つけてご案内したいところです。
こちらもおかげさまで嫁ぎ先が決まっておりますが、実質のセカンドオーナーとなる次のお客様は、ご自身の娘さんにこの段付きを引き継ぐことを前提に、完全なるリフレッシュを敢行し、日本で「走り込む」ための整備をガッツリと行いました。
いうまでもなくミラノ時代のアルファ・ロメオはイタリア人にとっても、「ちょっと特別な」モノ。
とりわけ大切にされてきた文化遺産のようなレベルのクルマには、それなりのプロにコミットしてもらいたいものです。
というわけで、北イタリアにいまだ現存するアルファ・ロメオ全盛期のレースチーム(アウトデルタ、コンレロ)の残党が現役で活躍するファクトリーたちに依頼し、各パーツのオーバーホールや調整を行うという特上コースの「お手入れ」を施しての日本上陸となりました。
まずはオーナーさんにその経緯や作業内容をしっかりお伝えするのが肝要ですので、ちょっと手一杯になってしまっていますが、いずれご紹介できると思います。
というわけで、このあとも続々コンテナが日本に上陸の予定。
作業する立場としては、とにかく一日も早く常識的な気温の日々に戻ってほしいと願うばかり。
引き続き「マニアックな」クルマたちをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いいたします!