Bologna 2025
イタリア旧車事情2025
今のクルマにはないデザインや色合い。
ともすると驚くほど小さいと感じるその大きさ。
半世紀も前のクルマなのに、キビキビとした軽快で楽しい走り。
旧いイタリア車には、一言では語り尽くせないさまざまな魅力があります。
効率よくそんな旧いクルマたちを買い付ける格好の場所が欧州名物「蚤の市」。
そんな蚤の市ですが、ここに来て徐々に変化が...。
今回はそのへんのお話を少々。
10月最終の週末、イタリア最大の蚤の市がボローニャで開催されましたが、いよいよ庶民レベルのクルマや部品がメインの「蚤の市」から、世界的に人気のある、やや高価格帯のクルマたちがひしめく「イベント」へとその姿を変えつつあります。
昨今の旧車人気による、販売車両価格の高騰が始まりだしてからずーっと続いてはいたのですが、
ここに来て、長引く戦争やそれに伴う水道光熱など諸経費の高騰を背景にしているいことも大きな原因。
会場のレンタル費も年々上がり、それに伴い入場料もエラく高騰という負のスパイラルが続いています。
こうなると、出店者も高価格、高利益率のクルマたちを並べる他なくなってきますので、ある種同じようなクルマばかりが並ぶという事態も招いています。
↑価格高騰の一途をたどる初期型パンダ4×4。業者日にすでに売り切れ...。
「デザインや雰囲気の良いクルマに人気が集中し、自然と価格が高騰しているからだよ…。」なんて言う方もいます。
フィアット500やパンダなどがその筆頭かもしれませんね。それはそれで正当な評価だとも言えるのですが、その他の60年代70年代の庶民のクルマたちもどんどん値段が上がるとなると、正直複雑な心境になってしまいます。
さらに、80年代以降のヤングタイマーと呼ばれるジェネレーション、特にラリーカーなどのベースに使われた車両などは、その高騰っぷりに拍車がかかり、全体売上という意味では、10年20年前よりもかなりの金額が動いているようです。
個人的には、そのせいで見るだけで楽しい、小物やパーツ商が蚤の市に出てこなくなったという現実に絶望しています。
↓素敵なデザインの看板類も世界中で人気なので、蚤の市で掘り出し物が見つかることも随分減ってしまいました。
とまあ、なんだか暗いお話になってしまいましたがご安心ください。
マブチモータース最大の武器は、イタリア国内のマニアック車両の保有者ネットワーク。
なので、こうした蚤の市に依存しなくてもおかしなクルマを買い付けることにおいては結構自身があります。
これまで以上にガレージの奥深くで眠る、他の人と被らない素敵な一台を貪欲に探し続けたいと思っています。
フィアットやアウトビアンキ、そしてそのスペシャルバージョンといったシンプルな一台から、アルファ・ロメオやランチアのワンオーナーものなどをこれからも積極的に見つけてきますね。
今後ともお引き立てのほど、よろしくお願いいたします!

