FIAT 124 Sport Spider CS1
フィアット 124スポルトスパイダー 1973年

















イタリアン・オープンの典型
実にわかりやすい「イタリアらしいオープンスポーツ」、それがフィアット124スポルトスパイダーです。
デザインを担当したピニンファリーナの流麗ながらも潔いラインが魅力の一台。
イタリアはもちろんのこと、欧米各国で人気を博し、実に1985年までの20年にわたり生産され続けた結構なヒット作です。
デザインは、後にデ・トマソ・パンテーラなどをデザインする、トム・ジャーダ(Tom Tjaarda)さんのお仕事。
1400ccのツインカムエンジンで軽快な走りが自慢の一台でしたが、なんと1973年から国際ラリー選手権に出場します。オープンカーなのに。
アバルトによってもろもろ強化されたFIAT ABARTH 124 Rallyと名付けられたその車。
私の記憶には当然のこと、なんならChat GPTに聞いても、この124以外でしっかりと活躍したオープンカーベースのラリーカーは今なお存在しません。
ただでさえ、ガタガタ道をぶっ飛ばすラリーにおいて、わざわざ剛性で劣るオープンで勝負をするなんて、ちょっとした冗談としか思えないようなことなのですが、
この124はただ出場するだけではなく、キチンと勝利したというなかなかスゴイ車なんです。
今回お届けするのは、意外と珍しいイタリア仕様の1.8Lバージョンで、CS1と呼ばれる個体。
その生産数はわずか778台と、かなりのレアなモデル。
初期の1.4や1.6と違い、低速からトルクに溢れ、それでいてパンチもある。
結局このエンジンがラリー仕様のベースにもなったほどの逸材です。
現地イタリアでは、やや運転に神経を使うキャブレターを二基搭載したもでるよりも、このCS1のシングルキャブが運転がしやすくバランスが取れているとの評価です。
せっかくのオープンですから、気楽にも乗りたいですよね。
ついつい見た目でキャブレターを2つにしたいという方が多い中、実はこの純正の1800のキャブ仕様はかなりの走りと柔軟性を見せます。
とはいえ、あまりにも生産数が少ないのでその実力を知る人は多くありません。
すぐにアバルト仕様が登場し、またロードゴーイングバージョンもインジェクションに変わっていってしまったため、なおのことこのCS1の真価を知るものは少ないというわけです。
前オーナーさんは、もちろんイタリアの124スパイダークラブの会員。その価値を知っての長期愛用ということだったようです。
新車からずーっとイタリアで大切にされてきた一台は、初年度のナンバープレートや車検証はもちろん、整備記録も付属します。
オルタネーターやラジエターは近年交換されたばかり。
さすがに足回りのブッシュやショックアブソーバーはそろそろ交換してもいいかもしれません。
この機会にアルファ・ロメオじゃない、シュッとしたイタリアンオープンはいかがでしょう?
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FIAT 124 Sport Spider 1973(CS1)
排気量 1,756cc
出力 118CV/6,000rpm
トルク 15.6kgm/4,200rpm
変速機 5速MT
最高速度185km/h
Price- ASK (お問い合わせはこちら↓)