FIAT PANDA

イタリアで現在も「庶民のアシ」として活躍中のフィアット・パンダ。
2020年にデビュー40周年を果たした定番ベーシックカーの「はじまり」がこの141型パンダです。

シンプルな直線基調ながらなんとも朗らか、イタリアの家具を思い起こさせるようなキレがありつつも明るく楽しさも感じる内装デザイン。
今も色褪せない傑作プロダクトデザインとして本国イタリアでも再び脚光を浴びています。

巨匠デザイナーの底力

イタリアが誇る巨匠デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ氏がデザインした141型パンダは、当時としては斬新な直線基調をベースにしつつも、アウトドアでの使用でもへこたれないサイドの塗装などが特徴。

自動車は街に生き、道路を走り、雨や雪にさらされるもの...。
そんな割り切りにも似た感覚が強いイタリア人。もちろんキレイに洗車する人もたまにいますが、日本人のように小さなキズを小まめに修理したり、こすったりぶつけられたといって大騒ぎしたりしません。万一不幸な事故があったとしても、できるだけ安く済ませるというのが庶民の感覚です。

そんなイタリアの日常に即したシンプルなガラスやボディで構成されたパンダは、メインテナンスも修理もラクラク。
狭い道や、崖がすぐ迫るような未舗装路なんかもすいすい走れる視認性の良さとコンパクトさ。
イタリアでの生活の当たり前がぎっしり詰まった傑作デザインの一台です。

*Picture and Design courtesy of Giorgetto Giugiaro

イタリアらしいインテリア

ある意味最新のタッチパネル式よりもデザイン的にはまとまりとクールさすら漂う、ミニマルなダッシュパネル。
141パンダの名物とまでなった、移動式灰皿。お構いなしでじゃんじゃん置ける荷物置き...。

固定式のハンドルながら運転姿勢もバッチリ決まり、四角いボディによる圧倒的な視認性の良さと相まって、とにかく運転がラク。

40年経過した今も古さなどみじんも感じないところがスゴイです。

ジウジアーロのデザインが満喫できる初期の141パンダ最大の注目ポイントは、やはりシートとそのレイアウトです。

写真のように通常のファブリックの他、4x4のブラックビニールや今回の弊社が輸入したピレリ社の防水ファブリックが使用されたバージョンも存在します。

リアシートはハンモックシートと呼ばれ、ご覧のように体育館のマットのような形状で折りたたみ&取り外しも可能。フルフラットから、転がる荷物用にV底にしたりと様々な形に変化します。

海に山に遊びに出かけたりするのはもちろん。大荷物から大型犬の輸送でも活躍します。

フロントのシートもびっくりするほどシンプルですが、乗り心地抜群。写真のようにリクライニングを倒せばフルフラット化も可能という代物。

フィアットのボトムグレードを支えたこのパンダですが、貧乏くささはゼロ。それどころか楽しく豊かな気分すら味わえる、これぞイタリアンデザインという一台なのです。

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 All pictures courtesy of original catalog FIAT S.p.A (Stellantis N.V.)

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